肺がんの検査は何をする?検診・精密検査・確定診断の流れを解説
- 1. 肺がん検査の全体像
- 2. 症状があって受診した場合の検査の流れ
- 3. 肺がんは無症状のこともある|要精密検査と指摘された場合の対応
- 4. 肺がん検診で行われる検査
- 5. 胸部X線検査とCT検査で分かること
- 6. 肺がんの確定診断の方法
- 6.1. 気管支鏡検査
- 6.2. 経皮的針生検
- 7. 生検が難しい場合に選択される診断と治療を兼ねた手術
- 8. 病変が大きい場合に行われる追加の画像検査
- 9. 肺がんと診断された後に行われる検査
- 10. 腫瘍マーカー検査の位置づけ
- 11. 気管支鏡検査を受ける際の注意点
- 12. 肺がん検診に関する最新の考え方
- 13. 受診を検討すべき症状と検診後の対応
- 14. 早期肺がんは当院までご相談ください
肺がん検査の全体像
肺がんの「検査」は、①異常を見つける(検診・画像検査)、②がんかどうかを確定する(生検と病理診断)、③広がり(病期)と性質を調べて治療方針に役立てる(追加の画像検査や遺伝子検査など)という3段階で考えると、全体像がつかみやすくなります。
画像で「影」が見つかっても、その時点では“疑い”であり、確定には病変から細胞や組織を採取して顕微鏡で確認する病理診断が必要です。また、同じ「検査」でも、症状があって医療機関を受診する場合と、症状がない段階で受ける「検診」では目的が異なります。症状がある場合は、検診を待つのではなく受診して評価するのが基本です。
症状があって受診した場合の検査の流れ
咳などの症状が続いて受診した場合、多くは胸部X線(レントゲン)から始まり、肺がんが疑われると胸部CTで詳しく評価します。CTで異常があれば、気管支鏡や針生検などで細胞・組織を採取し、病理検査で「がんかどうか」「がんなら種類は何か」を確認して診断を確定します。
病変が小さく病理検査が難しい場合、経過観察になることもありますが、肺がん治療を専門とする医師がCT画像から肺がんが疑わしいと判断した場合は、比較的体に負担のかかる気管支鏡検査や針生検を行わずに、診断も兼ねた治療として病変のある肺を手術で小さく切除し、確定診断をつけるという方法もあります。結果肺がんであった場合でも、治療はそこで完結となりますし、肺がんでなかった場合には診断がついて一安心となります。どの検査をどのタイミングで行うかは、必要に応じて担当医が判断します。
肺がんは無症状のこともある|要精密検査と指摘された場合の対応
肺がんは早期には自覚症状がないこともあるため、「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、要精密検査の指示が出たら精密検査を受けることが重要です。
一般的な精密検査は胸部CTで、必要に応じて気管支鏡検査が行われます。喀痰細胞診で要精検となった場合も、痰の検査だけをもう一度受けるのではなく、必ず胸部CTへ進みます。
肺がん検診で行われる検査
肺がん検診で行われる検査は、胸部X線検査が基本です。加えて、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の50歳以上など、リスクが高い人では喀痰細胞診を胸部X線と組み合わせることがあり、3日間連続で痰を採取して提出します。
胸部X線検査の放射線被ばくによる健康被害は「ほとんどない」とされています。
胸部X線検査とCT検査で分かること
胸部X線検査は、肺にがんを疑う影がないかを確認する基本の検査で、健康診断や検診でも用いられます。
CT検査は、肺の断面を画像化し、病変の大きさ・位置、リンパ節や他臓器への転移が疑われる所見の有無などを調べます(がんの広がりの評価では造影CTを行うこともあります)。
肺がんの確定診断の方法
気管支鏡検査
確定診断(生検)で最も多く行われるのは気管支鏡検査です。口や鼻から細い内視鏡を入れて気管・気管支を観察し、X線透視や超音波で位置を確認しながら、疑わしい部位の細胞や組織を採取して顕微鏡で調べます。必要に応じて、超音波で確認しながらリンパ節から組織を採取する方法(EBUS-TBNA)も行われます。
デメリットとしては、病変が小さい場合、奥のほうにある場合には、気管支鏡検査の結果が陰性であっても偽陰性(検査で組織がうまく採取できておらず、本当はがんであるのに陰性となってしまうこと)が含まれるという点です。
経皮的針生検
よって気管支鏡が届きにくい場合や、気管支鏡で診断がつかない場合には、体表から針を刺して採取する経皮的針生検が検討されます。超音波やX線透視、CTなどで位置を確認しながら採取します。
内視鏡を飲み込む苦痛がない一方で、痛みを伴うことと、合併症として気胸の頻度が気管支鏡より高いことがあり、出血が気道側へ流れ込むと喀血(肺出血)が起こることもあります。頻度は低いものの、播種(がん細胞が胸腔内に広がること)や空気塞栓も起こり得るとされているため、リスクも比較的高い検査となります。
生検が難しい場合に選択される診断と治療を兼ねた手術
以上のように、ごく小さな病変や、肺の奥のほうにある病変の場合、確定診断のための検査で肺がんを見逃すことが最も危険ですので、実際の現場ではCT検査でがんが強く疑われる場合には、気管支鏡検査や針生検のような体に負担のある検査を行わずに、最初から胸腔鏡を用いて検査とがん治療を同時に行うという方法がとられることがあります。
何度も検査をした結果、結局手術となるという手間が省け、一回の手術で確定診断と治療までを完結できるという点で、総合的な患者さんの負担は少なくなるメリットがあります。
当院では肺がん治療を専門とする外科医と麻酔科医による胸腔鏡を用いた肺部分切除を行っています。結果的に肺がんであった場合でも、治療はそこで完結となりますし、肺がんでなかった場合には診断がついて一安心となります。
病変が大きい場合に行われる追加の画像検査
比較的病変が大きな場合には、治療方針を決めるために、胸腹部の造影CT、脳MRI、PET、骨シンチグラフィなどを組み合わせて、がんの広がりや転移の有無を確認します。
PET-CTは、PETとCTという異なる検出方法の画像を重ねることで、広がりの程度や転移の有無を確認する検査で、他の画像検査だけでは診断が確定できない場合に行うことがあります。骨シンチグラフィは、PET-CTができない場合に骨転移の有無を調べる目的で行われます。
肺がんと診断された後に行われる検査
肺がんと診断された後は、薬物療法を検討する段階で、がん遺伝子の異常(EGFR、ALK、ROS1 など)を調べる検査や、免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するPD-L1検査が行われることがあります。
これらは生検で採取した組織や胸水中のがん細胞を用いて調べ、結果に応じて治療方針を検討します。検査が必要かどうかは医師が判断し、必要と判断された場合は保険診療で行われるとされています。
腫瘍マーカー検査の位置づけ
腫瘍マーカーは診断の補助や診断後の経過観察、治療効果判定などを目的に行われます。ただし、腫瘍マーカーの値だけで「がんかどうか」は診断できません。がんがあっても上昇しないことがあり、逆にがんがなくても上昇することがあります。
肺がんではCYFRA、CEA、ProGRP、NSEなどを測定することがあります。最終的には画像検査や病理検査なども含めて総合的に判断されます。
気管支鏡検査を受ける際の注意点
気管支鏡検査では、のどや気道の局所麻酔に加えて、痛みを抑える薬や眠くなる薬(鎮静や静脈麻酔)を使うことがあります。検査後に直ちに車の運転はできません。外来で行うこともあれば、入院で行う場合もあります。
合併症としては出血、気胸、発熱などがあり得ます。抗血小板薬・抗凝固薬などを服用している場合は、生検を行うと大きな出血につながる可能性があるため、検査前に処方医と相談して調整します。また、生検を行ってから病理結果が出るまでには数日から2週間程度かかることがあるため、検査後すぐに診断が確定するとは限りません。
肺がん検診に関する最新の考え方
2025年4月に公表された提言では、重喫煙者(喫煙指数(一日の喫煙本数×年数)が600以上)に対する低線量CT検査は、50〜74歳を対象に「1年に1回」の実施を推奨する、とされています。一方、重喫煙者以外に対する低線量CT検査は、対策型検診として実施しないことを推奨し、任意型検診では利益と不利益の情報提供のうえで個人の判断に委ねる、とされていますが、近年非喫煙者の肺がんが増加しており、早期に肺がんを見つけたい方は、低線量CT検査を検討するとよいでしょう。
胸部X線検査は喫煙状況にかかわらず、40〜79歳を対象に「1年に1回」を推奨する、とされています。
受診を検討すべき症状と検診後の対応
原因が分からない咳や痰が2週間以上続く、血痰がある、発熱が5日以上続くといった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
検診で「異常なし」と言われていても、症状がある場合は次回の検診を待つより受診が優先されます。反対に、症状がなくても検診で「要精密検査」と指摘された場合は、必ず精密検査を受けることが勧められています。
肺がんの検査では、画像検査で病変を見つけ、必要に応じて気管支鏡検査や針生検で細胞・組織を採取し、病理診断で確定します。ただし、ごく小さな病変や肺の奥にある病変では、生検で診断がつかないこともあります。
そのため、CT検査で肺がんが疑われ、専門医が総合的に肺がんの可能性が高いと判断した場合には、検査と治療を兼ねて胸腔鏡下に病変を早期に切除する方法が選択されることもあります。
早期肺がんは当院までご相談ください

東京駅から徒歩7分、日本橋駅直結の「東京日本橋 早期肺がん日帰り手術クリニック」では、早期肺がんに対し、日帰りでの肺部分切除手術による根治を目指した治療を行っています。
一般的に「肺がん」と聞くと、長期の入院や継続的な通院治療が必要というイメージを持たれる方が多いかもしれません。確かに、そのような治療を要する種類やステージの肺がんも存在します。
しかし早期肺がんの中には、麻酔科医による適切な全身麻酔管理のもと、習熟した外科医が手術を行えば、1回の手術で切除を完了し治療を終えることが可能な肺がんも存在します。当院ではそのような肺がんに対して、日帰りでの肺部分切除手術を行っており、患者様の身体的負担を最小限に抑えつつ、根治を目指すことができます。
- 健診で肺に影が見つかったが、どこを受診すればよいかわからない
- できるだけ早く肺がんの手術を受けたいが、なかなか手術日が決まらない
- 他の医師の意見も聞いたうえで治療方針を検討したい
実際に、このようなお悩みをお持ちの患者さまから、多くのご相談をいただいています。
ご来院が難しい方に向けて、24時間対応の無料メール相談・LINE相談もご用意しております。肺の陰影や肺がんについて不安がある場合は、当院までご相談ください。


