肺がんは誰もがなり得るがん
肺がんとは、気管⽀や肺胞の細胞ががん化したものです。⼀⽣のうちに男性の10⼈に1⼈、⼥性の20⼈に1⼈は肺がんになると推定されています。また肺がんはタバコとの関連が深いがんですが、最近では⾮喫煙者の肺がんも増加傾向であり、特に⼥性の肺がんは、⾮喫煙者の⽅が多いというデータもあります。喫煙だけでなく、⼤気汚染、受動喫煙、遺伝的要因も関係します。

早期肺がんでは無症状の⽅が多い
肺がんの症状というと、咳を思い浮かべる⽅が多いと思いますが、初期の段階ではほとんどの⽅が無症状です。症状が出てから発⾒された肺がん患者のうち、ステージ I であった⽅は8.2%しかおらず、定期的ながん検診で発⾒された肺がん患者のうちステージ I であった患者は50%という報告があります。

がんの中で、肺がんで亡くなる⽅が最多
⽇本ではがんによる死亡原因の第1位が肺がんです。理由としては、肺がんは初期症状がほとんどないため早期発⾒が難しいことや、他の臓器へ転移しやすいことなどが挙げられます。早期であるステージⅠで⾒つかる肺がん患者さんの割合は約40%であり、半分以上の⽅はステージ II 以上に進⾏した段階で発⾒されています。肺がんで亡くなる患者さんを減らすためには、いかにステージ I の段階で発⾒し、早期に治療へとつなげられるかが鍵となります。

早期肺がんの⼿術成績は良い
早期発⾒できた場合は⼿術により根治を⽬指せるようになりました。肺がんのステージ別の5年⽣存率はステージ I で81.9%と⾮常に⾼く、ステージ II に進⾏すると51.7%、ステージ III で29.3%、ステージ IV では8.6%と、ステージが進むにつれて5年⽣存率が低下していきます。つまり、早期発⾒と早期⼿術ができれば、根治を⽬指せる確率が⾼くなります。

肺がん検診の種類
⼀般的な肺がん検診は胸部レントゲン検査となりますが、ごく早期の肺がんはレントゲンで⾒つけにくいこともあります。⼀⽅で、胸部CT検査では肺を⽴体的に撮像することができ、レントゲンでは⾒つけにくい⼩さな病変でも発⾒することが可能です。
そのため、近年は肺CTを⼈間ドックで受ける⽅が多くなっており、ステージ I の段階で発⾒される⽅も増えています。肺がんリスクの⾼い⽅や、できるだけ早期に発⾒したい⽅は、無症状であっても胸部CT検査による肺がん検診をおすすめします。

早期発⾒を、早期治療へ
早期発⾒できた肺がんも、時間と共に徐々に進⾏します。がんであるならば、早く治療をするに越したことはありません。肺がんを根治するために、スピード感を持って⼿術まで対応することができる医療機関を選ぶことが重要です。
